今井雅晴推薦図書

風水と身体―中国古代のエコロジー

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エコロジー、中国医学という視座を通して、風水と身体に関する古代中国人の考え方を見ようというのが本書の眼目である。風水についての正しい知識を提供するとともに、古代中国には既に環境思想、エコロジーの発想があったこと、更に身体観も風水に関連していたという新知見を披露する。図版多数。

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詳細解説

内容紹介

サブタイトルとして、「中国古代のエコロジー」となっている。2001年に発行された本で以前から気に入った風水関係本の一つであった。最近、エコに目覚めて読み返すと共感することが多く、推薦本として紹介したい。
この本は前半部分の第1章が「中国古代のエコロジー」で孟子のアレゴリー(たとえ話)で古代の環境問題を紹介している。
牛山の木はかって美しかった。首都の近郊にあるため、伐採され、美しくなくなった。それでも雨露に潤され、植物が芽生えようとする。ところが牛や羊が放牧され、それを食うため、まる禿になる。人はまる禿を見て、もともと木がなかったと思っている。これが山の本性だろうか。
「孟子 告子上」

このように古代においてすでに環境破壊を問題化する考えがあったことに驚かされる。孟子は性善説を唱えた人で、人間が悪になるのは環境破壊であると投げかけたのであろう。

第2章の「エコロジーと風水」(身体の中に風水が見える)では、「風水とは、死者を葬るための、あるいは生者の住いのための、理想的な環境を選ぶ技術・思想の体系のことである」と定義している。晋の郭璞(かくはく)による「葬書」「学津討原」に死者を葬ってはならない五種類のトップに「童山」、すなわち禿山を挙げている。禿山は草木も生えないということから生気が無い場所と位置づけたものである。第3章「エコロジーと中国医学」第4章「身体と中国医学」と医学からのアプローチとなる。『風水の本』で「風水と人体」でさらりと紹介していたが、ここでは気と人体とのかかわりや中国医学とりわけ中国の皇帝が服用して寿命を縮めた丹薬のこと。三国志の時代に実在した名医、華佗のことにも触れており、一般的には風水と直接の関係は無いと思われるかも知れないが、面白い内容といえる。

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